製品の品質は、一朝一夕で築けるものではない。設計、製作、組立、そして検査。すべての工程において丁寧な仕事が重ねられ、ようやく「安心して使える製品」が形となる。完成品が手元を離れる瞬間まで、私たちは細部にまで責任を持たなければならない。
当社では新たに生産品質管理部門を設置した。検査の役割は、単なる間違い探しではない。工程ごとに積み上げてきた努力を、最後に確認し、保証する重要な工程である。「これなら問題ないだろう」という油断や妥協が、重大な不具合や信頼の損失につながることは言うまでもない。だからこそ、検査の現場では厳しさと緊張感が求められる。
品質管理とは、結果だけを見て是非を判断するものではない。日々の記録、確認、報告の一つひとつに意味があり、問題の芽を早期に摘み取るための仕組みである。面倒に思える作業であっても、それを怠れば、見えないほころびがいつしか全体を崩してしまう。
完成度を高めるとは、技術を磨くことに加え、目配り・気配り・手配りを徹底することでもある。ミスを防ぐだけでなく、製品を使う相手の立場に立ち、安心と満足を届ける。それが本当の意味での「完成」であると考える。
品質に「これでいい」はない。常に「もっと良くできるのではないか」という視点で、自らの仕事を省みること。昨日よりも今日、今日よりも明日と、一歩ずつ前進すること。その積み重ねこそが、信頼される製品をつくる基盤となる。
検査も品質管理も、華やかさはない。だが、製品の完成度を支える静かな矜持がそこにはある。ものづくりに携わる者として、誠実に、愚直に、品質と向き合い続けたい。
